COVID-19(新型コロナウイルス感染症)による全世界の不況は昨年から続いており、日本も大きな影響を受けています。
福島の経済を見ても、各社これまでになく厳しい状況の中での戦いを強いられていることと思います。
本記事では「さまざまな助成金はあるものの、煩雑で詳しい情報が見つけづらい」と私自身が感じたため、福島の助成金などの支援情報について、
非常によくまとめられているサイト(福島県庁)をまずご紹介します。
経営を継続されていく中で、利用できる助成金は積極的にご活用をいただき、健全な経営状態の維持に繋げていただければと思います。
さらに、現在の福島県内における経済の概況についてもまとめておりますので、ご参考としていただければ幸いです。
福島の助成金(支援)についての参考サイト
新型コロナウイルス関連の支援情報に関しては、こちらのサイトに非常に詳しくまとめられています。
事業者のみならず、条件によっては県民が受けることのできる支援についてもまとめられているため、
福島県にお住まいの方であれば一度はご確認された方がいいのではないかと思います。
また、こちらの「新型コロナウイルス感染症による事業者向け支援」内では、事業者向けの支援がPDFファイルに非常にわかりやすくまとめられており、
福島県の事業者の方にとって非常に参考となる情報源となっています。
※各助成金・支援の詳細につきましては、リンク先の連絡先へお問い合わせのほどお願い致します。
福島の経済概況まとめ
日本銀行福島支店によってまとめられた、福島県金融経済概況(2021年1月22日)などを参考としながら、福島県の経済の状況について考えていきたいと思います。
概況について、具体的には以下のような現状となっています。
ここからは福島の概況について、一つずつ細かく見ていくことにします。
個人消費:全体的に減少傾向ながら上向いているものも
新型コロナウイルスの影響により、福島県内の個人消費は全国同様大きく落ち込んでいます。
特にメディア等で連日報道されているように、主要観光施設や宿泊施設の入れ込みに関してはここ福島においても非常に落ち込んでいます。
また、2020年の建設業の倒産は業種別で最多の22件(72件中)となっていますが、これは原発事故からの復興需要が落ち着いた影響もあると考えられます。
しかし、全国的な巣ごもり需要が急増したためか、家電大型専門店販売額は前年度を上回るほどの活況ぶりが見られています。
その中心として挙げられるのが白物家電の好調です。国内での出荷額は前年比1%増の2兆5362億円と、24年ぶりの高水準を記録しており、この影響が販売額にも影響を及ぼしています。
白物家電とはいわゆる生活家電(エアコン、冷蔵庫、洗濯機など)のことを指しており、
コロナの影響により外出機会が減少したため、屋内での過ごし方を充実させる上で、このような白物家電に対して需要が高まったことが理由としては考えられます。
新設住宅の着工戸数:減少傾向
福島県の月別着工戸数は、平成30年時点では毎月平均1,000件を超えており、続く令和元年に入ってもそれに近しい着工戸数となっていました。
しかし令和2年(昨年)に入ると11月時点の平均で月820件程度まで下がってきていることがわかります。
当然ですが、先行きがわからない状態で住宅を購入するという大きな支出をするには勇気がいることであり、
現在の状況を考えた上で、「この状況が落ち着くまでは」という考えに至るであろうことは想像に難くありません。
生産動向:鉱工業の生産は緩やかな回復傾向
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、2020年には鉱工業の生産が全国的に大きな落ち込みを見せました。
その後徐々にではあるものの、全体としては緩やかな回復傾向にあることがわかりますが、福島県においては全国平均、東北平均と比較してもまだまだ低い水準にあり、
現在も余談を許さない状況であると言えます。
出典:福島県鉱工業指数月報 令和 2 年 11 月分速報http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/425281.pdf
有効求人倍率:減少傾向にある
2014年から、福島県内の有効求人倍率は年率で1.4%を下回ることはありませんでしたが、2020年(11月時点)の年率は1.25%まで大きく落ち込んでいることがわかります。
参考:福島労働局
これは設備・住宅投資などに関しても同様かと思われますが、先行きが不透明な中で、企業側も多くの求人を採用する方向へと舵を切ることが、なかなか難しくなってきているように思われます。
福島の助成金(支援)、経済の概況を振り返って
全体的に言えば、全国的にもそして福島県として見ても、多くの企業が厳しい状況での戦いを強いられている状況にあると言えます。
しかしながら現在では、国をはじめ福島県でも助成金など様々な支援が行われています。
その中で、自社が活用できる助成金や支援は積極的に受け入れ、少しでも経営を安定させるということは、非常に重要な要素の一つであると言えます。
また、このようなパンデミック下においては、先行きを見通すことは非常に難しくなり、悲観的ならざるを得ないところも多くありますが、
先述した白物家電の好調といったような、別の需要が新たに発生する可能性もあります。
その他にも、例えばコロナ禍において外出が制限されているため、ECサイトなどでオンラインショッピングをする人が急増しています。
また、経済産業省の調査によれば、日本国内におけるEC市場の規模は年々順調な伸びを見せていることがわかっています。
※以下のグラフは日本のBtoC-EC市場規模の推移(単位:億円)を示したものです。
市場規模としては、令和元年時点でBtoC向けEC市場が19.4兆円、BtoB向けEC市場で353.0兆円という一大市場となっており、この環境下においては更なる市場拡大が予想されます。
それに伴い、自社のEC化を推進する企業も多くなってきています。
競合他社も次々にEC事業に参入している現状においては、単純に自社サービスをEC化するだけでは成功は難しいものの、
新しい分野を開拓していくという精神は非常に重要であり、逆にいえばその分野を開拓するための改善を積み重ねていければ、
自社にとっての新たな収益軸を確保することができるということでもあり、選択肢は以前に比べて増えているともいえます。
今の自分たちにできることは一体何なのか、改めて内省をすることの重要性を、記事を執筆しながら痛感しております。
1日も早く以前のような自由な生活が戻ってくることを願いながら、皆様の益々のご健勝をお祈りしております。
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